映画【のんのんびより ばけーしょん】 感想

のんのんびより ばけーしょん

あっと先生によるマンガ作品の劇場アニメ映画化【のんのんびより ばけーしょん】を見ました。 テレビシリーズでも人気を博したキャラクターたちの楽しい日常に長閑な田舎の風景はもちろんそのままですが、今回は旅行(ばけーしょん)という事で、舞台は沖縄に。いつもと雰囲気が違うのかと思ったら、全然いつも通りののんのんびよりらしい世界が広がっていました。そんな劇場版の魅力をご紹介します。

魅力① やっぱり映画の舞台も「田舎なのん?」

テレビシリーズで「田舎のスローライフ」的な魅力を如何なく発揮してきたのんのんびより。劇場版ではやはり映画らしく、テレビシリーズとは違うスケールアップした物語を展開してくれました。それが「旅行」です。いつものみんなが住む場所から舞台を変えての日常劇。しかし旅行をしてしまったら、「田舎のスローライフ」という作品の”武器”がなくなってしまうのでは……? という風に思ったりもしましたが、その旅の行き先が「沖縄」というのがベストチョイス! しかも離島(竹富島)です。「ここも田舎なのん?」です! ばけーしょんではあるのですが、そこにある風景は心が穏やかになるゆったりまったりとした、のんのんびよりの舞台にふさわしい場所になっていました。いままで通り、作品の舞台的な魅力はそのままに、だけど起こるエピソードは特別に。素敵な舞台設定だと思います。

魅力② 特別な場所で、いつも通りのキャラクター達

舞台は特別になりましたが、そこにいるのはいつものキャラクターたちです。れんげはスケッチブックを持って沖縄を満喫しますし、教師として一穂も頑張ります……頑張ってたと思う()ダイビングやカヤックなど、やってる事も特別だけどいつも通りのやりとりがあって、なんか安心できます。ファンが期待するのんのんびよりらしいお決まりだったりやりとりだったりがしっかりと特別な体験の中に詰め込まれていて、やっぱりいい作品だなと改めて思える劇場版になっています。頑張れ兄貴。

魅力③ 夏海とあおいのひと夏

そんないままで通りの作中の中で、やはり印象に残るのはゲストキャラクターです。今回沖縄で登場する「あおい」は宿泊する民泊の娘で、夏海と同い年の中学一年生。バドミントンが好きな子で、家の手伝いで民宿を手伝うとてもいい子です。この子と夏海との出会い、距離感がとても素敵でした。同い年なんだけど最初はうまく話せない感じなどは凄く”らしい”なぁと思いましたし、そこから仲良くなっていく過程での2人のやりとりのかわいらしさもたまりません。同級生と普通に接して、普通に遊んで、だけど旅行で遊びに来ている以上、あっという間に別れの時間が来てしまう。ガールミーツガールと言っていいのかわかりませんが、夏海とあおいの2人の物語がこの劇場版作品の大きな核になっていたように思います。そのおかげで、単純に安心したりいつもののんのんびよりだ、というだけではない、劇場版ならではの「懐かしさ」「切なさ」や「爽やかさ」を最後に感じる事が出来たように思います。ひと夏の思い出、少し成長したように感じる夏海と、沖縄の少女あおいの2人がこの後の時間軸でも、仲良しであって欲しいと思います。

映画館ならではの「音」にも

作品内容は少なくともテレビシリーズを好きだった人にとっては間違いない、素敵な作品になっていると言えます。加えて、劇場ならではの音の良さもあり、背景+音で本当に沖縄でばけーしょんしているかのような没入感を感じられました。その没入感のおかげで、作中の時間はとてものんびりと流れているようで、だけどあっという間に見終わってしまったという感想です。心の癒しを求めて、ぜひ上映期間中にチェックしてみてください。

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貫田 雅剛

ラジオのパーソナリティー・プランナーやイラストレーターとして活動中。RCCラジオ・ラジプリズムの部長。ラジオのこぼれ話から、アニメのリアルタイム雑感、イラスト描いたりWeb作ったり、イベント考えてみたり、そんな色んな情報や、日々のあれこれなどを”なるべく”毎日更新したいと思います。