映画【文豪ストレイドッグス DEAD APPLE】 感想

文豪ストレイドッグス DEAD APPLE

人気作品・文ストの劇場版【文豪ストレイドッグス DEAD APPLE】を見ました。のっけからスピード感映像に、キレッキレの中也さんというカッコいいしか出てこない導入にシビれました。この劇場作品の魅力をポイントを絞って紹介したいと思います。(なお、本作品はテレビシリーズを見ておかないと伝わらないと思います。事前にテレビシリーズを見た人にとって、キャラクター像の掘り下げなどがあり、より彼らを好きになれる、そんなタイプの劇場版作品だと思います)

《映画》文豪ストレイドッグス公式サイト

魅力① 中島敦の在り方にフォーカス

本作の主人公である中島敦、それに泉鏡花や芥川龍之介を加えた3人が今回も主軸にはなってくるのですが、このストーリーは中島の過去と今を描き出していくお話でした。生きるために爪を立てる、文ストは常に「生きるとは?」という問いかけをしてきていると感じていますが、特にそれが顕著な映画になっていたのは、中島の生い立ちや能力(虎)に対するネガティブな捉え方が理由かなと思います。この辺りは、泉鏡花の夜叉白雪がちょうど対比になっている感じで、より分かりやすく描かれていました。そういう意味では沢山のキャラクターが出てくる群像劇が文ストの魅力ではありますが、限られた映画という時間の中で、中島に注力することでとてもストレートでメッセージ性が強い作品に仕上がっていたように感じます。

魅力② 100手先の読みあい

そんな中島敦を中心とした王道ストーリーをその上のレイヤーで操っていたのは、太宰・フョードル・澁澤の3人。もうそれぞれが何を考えているのかわからない、武装探偵社やポートマフィアの面々が必死に駆け回っている中、遥か高みから物語を動かしていたのがこの3人です。協力体制なんてわけもなく、それぞれの思惑がごちゃごちゃにぶつかり合っていて、局面が進むごとにコロコロ変わる状況。太宰は映画の冒頭から、果たしてどこまでを読んで動いていたのか、他の2人は? とにかく一回見たぐらいじゃ全く理解できません(できる人もいるのかもしれませんが;;)この別次元で頭脳戦をやっている感じと、その状況に対して能力を駆使して駆け回る中島達のアクションバトル、という2つの要素がかみ合って、とても熱いアニメ映像になっていたと思います。

魅力③ 中原中也がカッコいい!!

これはもう文句ないでしょう? 映画の一番最初、冒頭のシーンから、物語クライマックスにかけてのシーン、そしてエピローグまで。中也がカッコよかった! この映画の大きな魅力です、といって差し支えありません。もともと協力過ぎる能力はとても派手で大スクリーンで映えますし、色んな因縁が絡み合った作中でも、本当に多くのキャラクターと過去の遺恨がありながら、それでもぶれずにあり続ける存在感。なにより後半の出撃シーンでの会話・セリフ回しはこの映画の中でのNo.1の名言だと思っています。この映画を見たら、中原中也が好きになる事間違いなしです!

テレビシリーズを見た人であればぜひ!

もともと魅力的なキャラクター達が揃う、アクションも派手な作品です。映画はそのシリーズを見た人であれば間違いなく楽しめる物語になっていますし、映画という限られた時間の中で、よりストレートに作品の魅力が伝わるシナリオになっていたと思います! ……劇場版グッズの売り切れが多くてちょっと凹みましたがw まだチェックしていない方はぜひ見てみてください。

アバター

貫田 雅剛

ラジオのパーソナリティー・プランナーやイラストレーターとして活動中。RCCラジオ・ラジプリズムの部長。ラジオのこぼれ話から、アニメのリアルタイム雑感、イラスト描いたりWeb作ったり、イベント考えてみたり、そんな色んな情報や、日々のあれこれなどを”なるべく”毎日更新したいと思います。