【語ってみた。SP版】Ib(イヴ)

作品概要

kouriによって制作されたRPGツクール2000製のホラーアドベンチャーゲーム。2012年2月27日にフリーウェアとして公開されました。数々のゲーム実況動画によって知名度を上げた人気フリーゲームで、美術館を舞台にしたその独特の世界観もあって非常に人気の高い作品です。

あらすじ(公式サイトより引用)

両親と美術館に訪れた少女のイヴ。
色々な作品を観ていたイヴだが、ふと気がつくとひとりぼっちになっていた。
誰かいないか探し回っていると、美術館に異変が……

この作品の魅力を、ポイントを絞って紹介します^^
ポイント①  ”美術館”という怪しげな雰囲気の舞台

「ゲルテナ展」が開催されていた普通の美術館が、とある絵画をキッカケに美術品の向こう側の世界へ。
不思議の国のアリスに代表されるように、異世界への神隠しにあってしまう主人公のイヴですが、迷い込んだのは美術館・美術品の世界です。このどこか怪しげな世界設定がIbの大きな魅力の1つです。現実世界でも、美術館はどこか怪しげで独特の雰囲気を持った場所です。加えて美術品は作者の色々な念がこもった作品であることから、そこに何らかの力が働いたとしてもどこか理解できるような気がします。その何とも言えない美術館の空気を知っているからこそ、本作の美術館から異世界へという導入に違和感を感じることなく、イヴと同じように没入できるのではないかと思います。

ポイント② 異界で出会うギャリーとメアリー

不思議な世界で出会う2人の男女。1人はおねえ口調のギャリー、もう一人はアリスのような金色の美少女メアリー。二人との関係と選択が非常に面白いホラーゲームです。絵の中の世界で様々なホラー的展開が起こっていきます。イヴとギャリー、あるいはイヴとメアリー、それぞれとの会話やサブイベントの数が膨大で、やるたびに新しい会話を目にするようなボリュームです。プレイヤーの選択で2人のたどる道も大きく変わっていきます。あるいは2人のどちらを選ぶのか、その選択を迫られるような展開もあります。人気でいえば圧倒的にギャリーかなという印象ですが、メアリーのパートも非常に面白く、2人を知れば知るほどどちらも選べなくなっていくような魅力的なキャラクターです。この登場人物の魅力の大きさはIbの2つ目の特徴です。

ポイント③  複数のENDINGがどれも一筋縄ではいかない

自由度が高く、プレイヤーの選択によって変わる展開も多いのですが、結果としてラストシーン=エンディングも数種類が用意されています。(ちなみにアップデートで増えたりもしています)このエンディングでできればハッピーエンドをと思いますが、なかなかハッピーエンドにたどり着きません。一癖も二癖もある内容のエンディングも多く、それらがこの作品の魅力を高めていると思います。納得できるラストがあるのかないのか、何度もプレイせざるを得ないと思います。
そうしてようやくたどり着いたエンディングも、見方によっては片方のキャラクターが救われているわけではなく、全員が幸せになるというのはこんなにも難しいのか、と思ってしまったりもします。プレイ攻略後も考察などで世界が広がり続ける点もIbが人気となった大きな要因だと思います。

★まとめ 魅力的なホラー演出に、多彩なパターンを持った物語の拡がりが魅力

ゲーム実況でも多くのファンを獲得した作品です。美術館という設定がこんなにも魅力的なのかと実感した作品でもあります。ぜひゲームをチェックしてみてください。

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貫田 雅剛

ラジオのパーソナリティー・プランナーやイラストレーターとして活動中。RCCラジオ・ラジプリズムの部長。ラジオのこぼれ話から、アニメのリアルタイム雑感、イラスト描いたりWeb作ったり、イベント考えてみたり、そんな色んな情報や、日々のあれこれなどを”なるべく”毎日更新したいと思います。